Startup Weekendファンとして、いつか運営側もやってみたいと思っていたところ、東京のStartup Weekned Tokyo Womenに参加された青貝さんに声をかけてもらいオーガーナイザーをやることになりました。
また、顔の見える工務店探しCoumfy ( http://coumfy.com ) がスポンサーさせていただきます。まだ、3人だけ参加できるようなので興味ある方は今からでも参加お待ちしております。
日本で眠っている8億枚の着物を海外で生き返らせるKimono Project FURICLE(フリクル)
Coumfy(顔の見える工務店探し)は総務省近畿総合通信局、大阪商工会議所と共催で行われたベンチャー支援プログラム「ベンチャーキャンプ2013」で2位を受賞しました。
http://www.venture.nict.go.jp/event/2013/other/osaka2013/step3/report
タンスに眠る「着物」を無料で回収し、ネットで海外のファンに売るビジネスが拡大中
Startup Weekendは、世界475都市、日本8都市で開催され、6万人が参加するイベントで、金曜日の夜から日曜日にかけて54時間で起業にチームでチャレンジするイベントです。
Startup weekendについての詳しくはこちらをご覧下さい。
http://osaka.startupweekend.org/
今回は実は参加しないつもりでした。
すでに家族の予定が入っており、日々仕事ばかりしている僕は休日をまるまる潰してしまうこのイベントに参加したいなと思いながらも遠慮の気持ちもあり参加申込は見送っておりました。
しかし、3月の末ごろ2通のメールが届きます。
いずれも、僕の着物について書いていたブログを見て学生さんが働きたいと連絡がありました。
着物を世界にとブログで書いていますが、全く商売になっていない状況を伝え思いとどまるように連絡をしました。
しかし、一方で情熱を持って連絡してくれている学生に興味もありました。
1人はもう連絡が来なくなったのですが、もう1人は遠方にも関わらず、それでもいいから一度話を聞きたいと連絡がありました。その時点から、僕の思考回路が少し変わり始めました。
この情熱的な学生と一緒に仕事が出来るためには、どうすればいいだろう?
今まで、こういう気持ちになったことはありません。仕事がありきで人を探すということが、僕の常でした。リクスをできるだけ避けて、変動費化できる部分は出来る限り変動費化する。だから、この人と一緒に仕事をしたいから、仕事を作りたいと思う思考が自分でも不思議な感覚でした。
着物×世界のキーワードで仕事をしたいというのは、僕も一緒でした。しかし、何かと理由をつけて後回しにしていました。
そこで、思いついたのがStartup Weekendにこの着物のアイデアをぶつけてみてはどうだろうか?共感してくれる人はいるのだろうか、ビジネスモデルとして魅力はあるのだろうか?
そう思った時には申込ボタンを押して、Paypalの決済をしていました。
Startup Weekendのイベントは現実社会の縮図である。
このイベントは現実社会と一緒だな、というのは1回目参加した時にすでに気付きました。参加者の中から1分間のピッチ(アイデアのプレゼンテーション)を行い、どのアイデアを残すかというのを参加者みんなの投票で行うというステップがあります。
この時点で票が集まらなければ、自分のアイデアは残りません。ということは、良いピッチをすることはもちろん重要ですがここは何が何でも票を集める事が目的であると言えます。
現実社会でも、本当に売りたいものがあれば、1度提案しただけではなく何度も情熱的に提案しますし、事前に根回しをしたりすることもあるでしょう。
Startup Weekendでも同じことだと感じてからは、ピッチ前の夕食の時間にのんびりとビールを飲んで世間話をしているだけではなく、興味を持ってくれそうな人に事前に今日のピッチ内容を伝えて回りました。
この票集めの部分が、もっとも心が折れやすい部分でもあると思います。
チームができてからが本番の勝負
プレゼンができるチームに残れば、次はプレゼンに向けて準備になります。この部分がStartup Weekendの醍醐味でもあり、もっともしんどい部分でもあります。
いろんなバックグラウンドを持った、いろんな目的を持った人が数時間でチームを組むので、お互いの理解を深めて行く間もなくプレゼンに向けて動き出します。
特にアイデア部分の意見を出しあっている時は、それぞれにいろんな意見を出すので迷走することが多く、この時間をいかに短く出来るかが重要だと感じてます。
今回は、自分の実家に関係する着物というネタであったため、僕の想いの部分を優先してくれる雰囲気があり、それがいい方向に影響したと思います。「なぜこれをやろうとしたのか?」その根本の部分は必ず僕にボールを渡してくれたので、全体のブレが少なく、プレゼンに向けてみんな一緒の方向に向かうことができました。
しかし、それでも投げ出したい瞬間は2度ほどやって来ました。
アイデアの信ぴょう性を確認するために、いろんな人にインタビューを始めると、いろんな意見がでてきます。今回着物に関していうと、手入れが大変という意見が多かったのです。そうすると、すぐに着物の保管を事業の柱にするような現実的すぎるプランに変更してしまいました。
自分たちは顧客のフィードバックだと思って変更したのですが、コーチとの面談の時にすぐ指摘されました。自分たちが良いと思っているプランを考えている時はこんなにも気持ちが軽く、指摘を受けた時はこんなにも雰囲気が沈むのかというくらいチームの雰囲気が沈みました。
ここから戻ってくるには、やはりそもそも誰のなにを解決したいと思って始めようとしているのか?その根源部分に立ち戻るしかありませんでした。
「着物を着たいと思っている全ての人に、着物を着られる機会を提供する。」
そこに立ち戻った時に、やはり保管庫をすることはずれていることに気付き再度前に進む事ができました。しかし、2日の夜にもう一度悩んでしまう壁にぶつかりました。
それまでは、国内向けに着物をレンタルするというモデルで進んでました。しかし、2日の22時くらいにビールをもった和波さんが来られて、「着物業界は縮小しているから、価値を高めて市場に再投入するアップサイクルが必要。」とアドバイスを貰いました。
またしても、チーム全体の動きが止まってしまいました。アップサイクル?着物の生地を再利用して、iPhoneケースを作る?混乱した頭で2日目は終わり、3日目の朝を迎えました。
やっぱり、海外向けにしましょう!
朝一の井土くんの発言で、日本の良い文化を世界に発信するといういい形で原点に戻り進む事ができました。そこからは、検証とプレゼン作りに専念することができました。
そして、最後プレゼンの大役を任せてもらい、結果優勝することができました。
指揮命令系統のないチームで動く事の難しさ
Startup Weekendの大変な部分はこの部分だと思います。遊ぶだけの友達ならそれで問題無いのですが、意見をぶつける必要があり、アイデア発案者の意見が優遇される雰囲気がありますが、絶対ではありません。雇用関係も株式の関係も何もないので、はっきり言ってアイデア発案者の言うとおりにする必要が全くないのです。
そんな状態のチームを皆で一つの方向に向かって走り、着地する。今回はそのヒントを掴んだ気がします。やはり、そこにあるのは、解決したい課題に対する想いが共感されているのかという事が最も重要になると感じています。
お金でもない、命令でもない。何がチームを一つにするのか?
そんなことを考えつづけた3日間でした。
本当に良いチームのメンバーに恵まれ、最高に楽しい3日間でした。
そして、本来参加した目的も達成したので、学生に会って話をしようと思います。
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